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スズラン。それが櫻井さんが経営する同性愛用デリヘルの名前。
花言葉は「純粋」「純潔」。俺たちの仕事とは真逆の意味。
客層は金持ちの男たち。
初めての相手は某会社の社長だった。
60を越えているのに元気なものだ。
「櫻井さんはいい子ばかりを揃えてるね、どう?気持ちいい?」
あの指の動きに比べれば誰の行為も気持ちよくはない。
「あ・・・、加賀谷さん、気持ち・・いいです」
早くイッてくれと思いながら適当に演技する。
遅漏なのかなかなか終わらない。いい加減麻痺して感覚がわからなくなってきた。
「ああ!もうダメですっ・・・イキそう・・・・っ」
わざとらしい演技をする。俺は全然違うことを考えながら自分で自分をしごいていた。
「直也くん、一緒にイこう」
出来るわけないだろ、早くイケよ、心の中で悪態をついていたら終わった。
生は禁止事項で、客はゴムの中に白い液体を放出する。
「・・・よかったよ直也くん。久しぶりにイケた。ありがとう」
荒い息をしながら小太りの体が離れて、俺に万札を握らせる。
「え?」
料金は櫻井さんに先払いのはず。
「お小遣い。イカせてくれたお礼に。また指名してもいいかな・・・?」
俺は嬉しそうな笑顔を作って加賀谷の頬に軽くキスした。
「じゃあこれは二人だけの秘密ね」
客が喜びそうな言葉を吐いて、シャワーを浴びてからさようなら。
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