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俺がこんな屈辱的な仕事をしているのはご褒美があるから。 「ご苦労さま」 ホテルの駐車場で待っている櫻井さんのクルマに乗り込む。 デートのつもりで着いてきた俺に待ち受けていたものは初仕事だった。 食事をして上の部屋に行った時、そこに加賀谷がいた。 「この子は今日が初めてなんです。優しくお願いします」 櫻井の言葉が理解できないまま心のない人形になった。 「跡がついてる。クレームしておこう」 首筋を櫻井さんの指がなぞる。 それだけで俺は意識がなくなりそうなくらい、ぞくっとして感じてしまう。 指の背が頬をなでる。 「今夜は初めてだから1人にしておくけど、次からは2,3人相手してね」 「・・・俺をだましたんですか?」 「はじめからそのつもりで近づいた。だましてないよ。嫌ならやめる?」 誰が好き好んでこんな仕事をするか。 恋愛しているつもりで櫻井さんと寝ていたのに、ただ商品にするための調教だったなんて。 指はそのまま耳のほうまで来て俺の頭をひきよせて唇を重ねてきた。 「怒らないで直也。大好きだよ」 キスより櫻井さんの指に感じて俺はそれ以上何も言えないまま黙り込む。 これが欲しくて、やめられない。
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