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視
仕事は月に10日前後で、時間の拘束は緩い。
稼いだ金は、生活費を払っても余裕があるので、その分は貯金にまわした。
仕事も、行ってまず食事してからという流れなので食費が浮く。
今回は少し変わった仕事が来た。
見ていて欲しい。それだけ。
櫻井のBMWでホテルに向かっている間に説明してもらう。
「視姦プレイが好きな人。直也はただ見ていればいいから」
「はあ・・・」
色んな人がいるなと思っていたら櫻井が運転しながら
「セックスはノーマルなんだ。普通はされてる側が見られてうれしがるのにあの人は自分が見られて興奮する、ちょっと変わった人」
「俺はその、黒坂さんていう人を眺めているだけですか?」
櫻井はうなずきながら
「黒坂美智夫、聞いたことない?」
「・・・あ!」
「俳優さん。昔からご贔屓でうちの常連。新人が入ったからと連絡したらぜひ会いたいと直也君をご指名だ」
いろんなドラマに出演している、名バイプレイヤーだ。
「芸能界は多いね。だからスキャンダルを恐れて俺たちに依頼が来る。みんな誰とつきあってるとか性癖とかゴシップ好きだね。そんなに知りたいのかなあ」
「ヒマなんじゃないんですか?」
「平和だ」
「ここで待ってるから。2時間すぎたら追加料金なので長くなりそうだったら連絡して」
加賀谷さんと同じホテルに到着して俺はクルマを降りた。
エレベーターに乗っている間に気持ちをONにする。
部屋に入ると女の人の声が響いていた。
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