彼氏は、ダンゴムシ

復讐

ふふっ、馬鹿な女。こんな荒唐無稽な事を信じるなんて。

高橋南の不倫相手の妻は、目に映る映像に満足していた。傍らには高橋南の不倫相手がいる。２人で映像に見いっていた。室内には、例のワルキューレが鳴り響く。この音楽、いいわね、私にぴったり・・言いながら妻は夫の右太ももへ、１０本目の五寸釘を素手で打ち付ける。既に左太ももには同様に五寸釘が１０本打ち込まれており、紫色に腫れ上がっている。夫は悲鳴をあげているが、全裸で椅子に体を固定、猿ぐつわもされ、大声も出せない。んんーっ、んんーっと呻きを繰り返し、痛みで顔がしわくちゃになっていた。涙と鼻水、よだれが止まらない。

ねぇっ。

五寸釘をぐりぐりしながら、優しく妻が問いかける。

これからダンゴムシを貴方だと信じて３～４年、人生を犠牲にするかも知れない彼女と、これから苦痛を伴う人生を歩む貴方。

「どちらが幸福かしら。」

妻は、高らかに笑った。