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響の実力は戦闘に加わるにはまだまだ力不足である。だがこの半月、陽京は他のみんなからの指導で鍛え上げられ最も伸びている人物である。
魔術のノウハウをいまいち理解出来ていなかった状態でも強化術は使えていた。そこから夜道の訓練によってさらに魔術の使用が上達し、魔術師の中でも使える者は珍しい技能を独学で編み出した。魔術センスだけならば群を抜いている。だからこの半月で響は格段に強くなった。
「もう水の上を走れるようになったんだ。夜道が知ったら目玉飛び出すだろうな」
「やっぱりあたしは才能があるみたいだな。このままお前も抜いてやるぞ」
「ハッハッハ、それくらいの気持ちでやってもらわなきゃ犬死に間違いなしだからな。まだまだ強くなってもらわねえと俺が夜道に怒られる」
二人並んで歩く。当然人に聞かれてはいけないので周りの目はしっかり把握しながら会話をしている。
「でも、本気なのか?お前が参加するには相手がヤバすぎるぜ?」
「黙って待ってるなんて無理だ。あたしだってカイスレックの顔面を殴り飛ばしたい、少しでもみんなの役に立ちたいんだ」
「そうか。なら俺は何も言わないようにするよ」
「で、今どこに向かってるんだ?」
「夜道の家だ。アリアさんから呼び出されてな」
「アリアさんに?」
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