第百九十六回:右大臣実朝 太宰治作

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第百九十六回:右大臣実朝 太宰治作

 鎌倉幕府の三代将軍右大臣源実朝は歌人としても知られ、その歌は正岡子規にも絶賛されていますが、現在では彼の和歌の大半は当時の和歌のスタイルをそっくりなぞっただけの凡庸なものだと評されています。また本業の政治家としても問題のありすぎる人で、ある日突然中国に行きたいから船作れとか訳のわからない言い出して、やたらでっかい船を急ピッチで作らせたのですが、何というか、当たり前というか、完成した船は海に浮かべた途端に浸水して即沈没してしまったなんてアホにほどがある事をしでかしたりしてます。太宰治はこの小説でそんな右大臣実朝の愛すべきトホホぶりをユーモアたっぷりに書いて……なんかいません!
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