第二百四回:張り込み 松本清張作

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第二百四回:張り込み 松本清張作

 何のために張り込みを続けるのかという事を書いた作品である。一人ただ張り込みを続ける男。それは一見して無益な行動であるし有益な行動でもある。彼はただ一人の人間のためにこうして張り込みを続けていた。男は目の前の家を見ながら自分のやっていることは本当に正しいのかと疑問に思う。だが男は正しい!いくら法律に違反してもなさなければならないことがあると振り切ってまっすぐ前を見た。しかし目の前を歩いて来た女性が男を指差して後ろにいた警官にこう言ったのだ。 「この人ストーカーです。一ヶ月前からずっと私の家をのぞいているんですよ。気持ちが悪いからさっさと逮捕してください」
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