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第二百七回:死者の奢り 大江健三郎作
「いやぁ〜、俺昨日超ラッキーなこと起こってさ」
「なに?そのラッキーなことって」
「水上先生いるじゃん。あの人にフレンチレストラン連れてって貰ってさ、全部俺の奢りだって全部奢ってもらったんだよね。もう食いまくりの飲みまくりでさぁ。でも水上先生にお礼言うの忘れてさぁ、あの人の今度の講義っていつだっけ?その時にお礼しようと思うんだけど」
友人は相手の話を聞いて青ざめた。友人は長い間言うべきか言うまいか迷っていたが、やはり言わねばと決意して言った。
「あの、水上先生、去年死んでるよ」
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