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だから今は目を逸らすしかない。 その首の持ち主がこの町を守ったのだということも。 その首を想って泣いている人がいるということも。 道の端に咲いた青い花を見て、彼らのことを思い出す人がいるということも。 全て忘れて、新しき時代へ行くのだ。 首はいつの間にか無くなっていた。 とある人は首の引き取り手のこんな言葉を聞いたという。 炎のような生涯だった。 後は心休まる人達と一緒に静かに眠っていて欲しい、と。 首の行方は今も分かっていない。
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