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とは、当たり前ながらにもならず。
「「えー?今笑ったの誰々〜??」」
いち早く反応したのはドッペルゲンガーでキョロキョロと辺りを見渡し始めた。
「あそこら辺で聞こえたような気がするなぁ」
次いでチャラついた男がこっちを向いた。
おま、ざけんなよ、妙にヘラヘラしてる癖に勘はいいパターンか。
それに女子はギャップ萌えして惚れちゃうとかそんなんだろ、ふざけんな。
「太陽!」
眼鏡をかけた奴は何かを探すようにこっちを向くと、太陽を見つけた途端瞳を輝かせながら早足でこちらに来た。
あれ、この人って屍の…。
「 翠!!」
太陽も眼鏡を見つけると手をぶんぶんと振って、そんな眼鏡に続き変人集団が徐々に俺らに近づいて来る。
「おっふ清少納言でも王道だったかぁ! えっとカメラカメラ」
それらの光景を横目で見たあと俺は何も知らないと、気にせず楽しみにしていたパフェを自分の方へ寄せ食べようとした。その時。
「おわぁ!!!」
早速眼鏡とじゃれてた太陽が倒れてきた。
その反動で生クリームの海に顔を突っ込んでしまい、目の前が白く染る。
シロクマかよ! ってな、ははは…死刑。
「おい太よ「あわわわ! 綾人ごめん!!!今拭く!!」むぐ!」
あわわわ。
何故かテンパりながら設備されていたテッシュを何枚か取り俺の顔を乱暴に拭いた。
拭くのは別にいいんだよ、拭くのは。
だけどさ、俺の繊細な唇を乱暴に吹くのやめろよ。ぶっ転がすぞテメェ。
「たいよ…まッ、…まて、って!! ボケ!」
太陽の指が唇に触れる事に背筋が少し震える事に何となく羞恥心を覚えながらも、無駄に力が強い太陽の腕を掴み抑える。
乱れた息を整えながらも滲む視界で太陽を目で捉え、少しズレたグラサンの下からキツく睨みつける。
嫌がってる相手に無理矢理は良くないと思います。の意味を込めて。
「…あっ、あや、と」
その瞬間何故か太陽の顔からボフっと音がすると共に赤くなり挙動不審になった。
何度も言うがコイツは清少納言だ。
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