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「あんのクソ親父ふざけんじゃねえぞ…なんの報告もせず転入手続きしやがって」
そう呟き、身長四つ分程ぐらいは容易くある門をDQNの如く睨みつけるのは一応今作品の主人公、香坂 綾人。
いやさ。まぁ勝手に退学届け出され、転入手続きも済まされていたことは良いとして。良くねーよ。
いや、良くて。
重要なのは案内人どころか誰一人来ない訳を教えてほしい。
再度スマホを見ても日付も時刻もバッチリあってる。
なら何で誰も居ねーんだ…とスマホを仕舞いもう一度校門を見上げ、キュピーンと頭上に突如浮かび上がる電球。
「あ、いっそのこと登るか」
眼前にある校門は通常の二倍くらいのデカさ。
結構高いが、この高さならなんとか登れそうな気がしなくもなくなくない。
登るか、登らないか。
そんなことを考えていた時。
「うおおお!! デッケェェェェェ!!」
少し高めの叫喚が俺の両耳を一直線に劈いた。
ただでさえ機嫌が悪いってのにこの喧しさ………。
自分でも器がお玉並だって思いつつやっぱりピキついてしまう。
一体どんな面してんのか拝んでやろうとさりげなく流し目で見た瞬間。
そこに立っていた人物に俺は瞠目した。
そう、そこに居たのは…───。
清少納言だった。
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