OK、生徒会会長はクソ

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え? いや、は? 清少……は? とその時、突如として清少納言が奇行に走った。 ガッシャガシャガシャン!!! 「誰かいないのかーー!??」 「ぶふッッッ!!!」 門に貼り付きチンパンジーの如く音を立てて揺らし始めやがった。 驚きすぎて涎出たわ。清少納言が門を掴んで叫んでんのおかしいだろ。 おかしいだろ!! 「……あ、お前も転入生なのか?!!」 門に張り付いた清少納言は器用に首のみをぐりんと回し話しかけてきて心拍停止。 いきなりぶっ込まれるホラー要素。 「ふっ…んんっ、そうだ」 自称クールキャラが崩れそうなほどコイツの破壊力はやばい。 一つ咳払いをし声色をいつもの低さに戻し返事を返すが、まだ少し声が震えてるのは見逃してほしい。 「良かった! なぁ、これどうやったら開くと思う!?」 「あー…そろそろ開くんじゃね? ま、開かなかったら門飛び越えるなりなんなりすればいいだろ」 「そっかお前頭いいな! 名前はなんて言うんだ? 俺は小日向(こひなた) 太陽(たいよう)って言うんだ!」 「俺は香坂 綾人。よろしく清…小日向」 清少納言の後ろに後光が見え、思わず顔の前に手を広げ光を遮断する。 外見清少納言の癖して中身が陽キャ過ぎるんだが。 でも折角だしとこの気に得と拝んどいた。ご利益あっかな。 「なんで拝んでんだ? 俺のことは太陽って呼んでくれ!! 俺も綾人って呼ぶから!!」 急なお願い事に適当に相槌打って観察する。 その清少納言メイクとか誰にやってもらったんだろうな。もしや自分で? それならクオリティ高杉さん…。 そうじっと太陽の顔を観察していれば、不意にポッケから着信音が鳴り響いた。 「もしもし」 《あ、綾人くん? 俺俺》 「オレオレ詐欺は間に合ってます。さようなら」 《ぇ、ちょ…あっオケそういうノリね、愛しのダーリンだよマイハニー。‪𝑲𝑰𝑺𝑺‬》 「さよなら」 《ごめんごめん切らないで! 佐々木(ささき) (しょう)だって!》 「で、何用? 要件手短にな」 《ツンデレ受けはベリーグッド!! そこで彼氏できたら真っ先に俺に教えてね!!》 「切るわ」 《ッハ、思わず抑えきれぬ腐心が…───》 意味不な御託を並べ始めた翔にうんざりし太陽の方を見ると、そこには現に人影はなく門が開いていた。 「いつの間にか門開いてたからマジで切るわ」 当然何度か電話がかかってくるが喧しいのでスマホの電源を落とし仕舞い、俺は校門方面に足を向けた。 雑ぐらいが丁度いいんだよ。
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