友達

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「あ゛!!」 ほんわかし過ぎてて、つい今まで忘れていた事を思い出した。 「どうした?」 「…友達待ってたんだけど、忘れてた」 「「 …。」」 「……まぁアイツなら大丈夫か。よし、じゃあもう一眠「綾人ー!! どこだーー!!」 「あれが綾人の友達か?」 …いやこの声は……。 「や、ただの変質者だから気にしなくてい「みぃつけた」ぎゃああああ!!」 耳元で囁かれた悪魔こと太陽の声に、心臓がまろび出る程びっくりし目の前にいた朔に抱きついてしまった。 「うおっ…大丈夫か?」 だが朔は俺に突進されても尚微動打にせず、それよか俺の安否を伺ってきてくれるその優しさに、つい一昔前の少女漫画のような作画になる。 「トゥンク…朔、結婚しよう」 「綾人?!」 「おっと、朔のイケメンパワーが強すぎて惚れかけたわ。危ない危ない」 対して流れてもいない汗を拭いながら戯れていると、草むらの向こう側から翔達の声が聞こえてきた。 「お、翔! こっちこっち!」 朔に抱きついたままの体制で手を振ると、笑顔を一変させてでずんずんと俺達に向かって来た。 「は、うわ何」 かと思えばフードが肩からズレ落ち、晒されていた首元をもっと晒すようにパーカーを腕の真ん中まで落とされる。 「綾人くん、これは一体どういう事?」 「こっこここ、これは!! 萌えの香り!!」 「綾人の首がど…ハァァ!!?」 「ひえ、こ、香坂くん…それ…」 全員が俺の首元を見て固まってっけど皆目検討がつかない。 「どうし…だっ、おまっ、なにいきなり脱がせ……は…!?」 俺が何を言うに前に翔は子供のように拗ねながらも俺の首元のシャツを勢いよく開け、首元に吸いついてきた。 え???? 「あぁっ!! 俺も、俺もやる!」 太陽もそう叫ぶと俺の鎖骨あたりに噛むように吸いついてきて。 「え? は? …は???」 思考がキャパオーバーしていると、凪と風見が「じゃ、俺も個数増やすためにやる!」「仲間外れはダメだよね」と悪ノリしだし、首に吸いつかれた。 あまりに突発的な事に喚く暇もなく唖然としてれば「で、この歯型誰につけられたの綾人くん!! 破廉恥な事は許しません!!」と言われた。母親かよ。 「って、歯型? あぁ」 歯型なんかつけられたっけかと思い返して、さっきの朔が脳裏を過ぎった。 「ちょっと朔に食われかけただけだ」 へらっと笑って答えるとその場にいた全員が硬直し、そして全員が朔の方に顔を向けた。
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