身勝手な親愛なるクソ親父

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「て、転校すんなよ?」 「するはずないだろ、ばーか」 「ングゥッッ!! ば、ばーか頂きましたッッッ!!」 凪は顔をまるで梅干しみたいに真ん中にぎゅうっと凝縮しながら胸元を両手で抑えると、そのまま後ろに倒れ込んだ。 「何やってんだよ」 「幸せを噛み締めてる」 上から見下ろすと、凪は安らかな顔で相変わらず意味不明なことを恍惚気に呟いた。 凪と翔は同じ腐男子仲間だとか言ってたから、どっちの思考回路も理解出来んのかな。と考えていた思考を戻すと、凪はすやぁっと手を組んだまま眠っていた。 まじかよ。おやすみ三秒。 「…俺もそろそろ寝るか」 ソファに掛けてあったブランケットを眠っている凪に投げ付けて自室に向かった。 ピコン。 ベットに入りいざ眠ろうと布団を被ると、翔からプレゼントされた新品かつ最新のスマホから音が鳴る。 暗い中なので少しだけしぱしぱする目を堪えながらスマホを除くと、親父からLINEが一件入って来ていて。 とにかく早く寝たい一心で、既読だけ付ければいいかと緑のアイコンを開き返信を見た。 「…───ハ、アアァア!!!??」 あまりの内容に落としてしまったスマホの画面にはこう綴られていた。 親父〖依頼:季野湖学園にいる転校生をどうにかし、生徒会を機能させ、親衛隊を落ち着かせよ! P.S. 樹華野湖学園の問題は後回しにしていいとの事だ。 ちなみに明日の午後一時に校門の前に迎えの車を出して置く。頑張れ綾人(っ`・ω・´)っフレーッ!フレーッ!〗 あまりにタイムリー過ぎる内容に固まっていると、続けてまた返信が送られた。 今度はなんだ、と若干震えがながら落としたスマホを拾い画面を見る。 〖この任務は樹華野湖学園、季野湖学園の者にはバレるな。絶対にだ。 バレるとしても任務を遂行してからだ。 でないと樹華野湖学園のスパイと疑われ面倒なことになるぞ。では健闘を祈る(`・ω・´)キリッ〗 なァにが健闘を祈る、キリッだよ?? バレないようにする事がどんなにムズい事か…。 つか顔面893なオッサンがこんな顔文字なんか使っても可愛くねーよ。 つかその転校生とやらが原因か? ならソイツをさっさとぶちのめ…いや、落ち着け、俺。 額に軽く手を置き、深く息を吐く。 「……一旦眠ろう、それがいい」 現実逃避をするため俺はベットに入り、そのまま流れるようにすやぁと眠った。 やはり体も拒絶反応を起こしていたらしい。
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