元魔王の人間無双

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 あれから6年が経った。  体はだいぶ成長し、魔力回路を制御しなくても、自分の筋力で歩いたり、走れるようになっていた。  魔法を使うと体に負荷がかかるので、体が幼い時は魔法を使わないようにしてきたが、6歳にもなれば少しくらい使っても大丈夫だろう。  オレは6年ぶりに魔法を使ってみることにした。  まずは、4大基礎と呼ばれる魔法から。  《火魔法》  《水魔法》  《風魔法》  《土魔法》  手を前にかざすと火、水、風、土の魔法が発動した。  どうやら魔法は大丈夫そうだな。  オレは様々な魔法を試してみる。  《障壁魔法》  《飛行魔法》  《魔力弾》  どれも大丈夫そうだ。  その様子をみていた父さんと母さんは、息子の圧倒的な魔法の才能に気圧されて、言葉を失っていた。  少ししてから、言葉を取り戻した。 「すごいわゼルくん!天才よっ!」 「ああ、これなら優秀な魔法騎士になれるな!」  大喜びの様子だった。 「父さん、母さん。オレは将来魔法騎士を目指すことにするよ」  魔法騎士になるには、王都にある魔法学園に入学しなければいけない。歳は15歳からなのでまだまだ先だ。  それに、学園に行けば今のこの世界のことがよく分かるかもしれない。 「ゼルくんが魔法騎士になるお祝いをしなくっちゃね」  流石に早すぎる気もするが、まぁいいか…。  オレは、親の好意に甘えることにした。  人間として生きるのも悪くない、そう思うようになっていた。
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