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まあ、女湯に堂々と忍び込むくらいのことはもちろん既に経験しているわけだが――。
あの時、想像以上の興奮はなかった。男の姿では絶対入れない麗しき楽園、半透明なドアを開けて足を踏み入れた暖かい風呂場、そこは湯煙で視界が悪いし正面から裸をじろじろ見ることなんてできない。
洗い場から湯船に向かう数秒間しかよく見れない裸を見ても――それに自分も女の体で女の裸を見てもいまいち燃えなかったのだ。
このご時世、ネットを使えばすぐに異性の裸体を見れてしまうし自分の女の姿、和美の裸をこれでもかと堪能した和男は女の裸への耐性ができてしまっていた。
結局女湯には1回しか行ってなくて、その1回も男湯より綺麗な気がするお湯にゆっくり浸かってさっぱりして帰っただけだった。
さらに昨年、大学一年生だった和男は学業や友達付き合いが忙しくさらに初めてのバイトも始めていたので変わる体と向き合う時間はあまりなかった。
だから、この体を手に入れて得をしている事はバイトで楽ができるってことくらいだった。
それじゃあもったいないだろう。こんな力をバイトで楽することや、小さくなることでベッドやイスを広くすることに使うだけなんて。
大学二年生の秋、ようやく大学生活に余裕が出てきた。
変わる体をもっと有効活用して生きていく。それがここ最近からの和男の人生の目標だった――。
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