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本殿の中は綺麗に掃除してあり、高い位置にある明かりとりの格子の窓からは外の光と涼やかな風が入り込んでいた。
その差し込んだ光の中にぽつんと木の小さな社があった。
ちっちゃな神社のような形をした箱だ。
「これですね。
御神体は地下に埋められてるところもあるっていうから、どうかなーと思ってたんですが」
壱花はその前に膝をつき、そっと小さな社の扉にかかっている閂を開けてみた。
中には縦長の木の箱がある。
「……マトリョーシカみたいですね」
とバチ当たりなことを言いながら、振り返り、神様っぽいものに、
「開けてもいいですか?」
と訊く。
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