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「いえ、貴方はこの土地の神様で間違いないですよ」
と箱の中の小振りな神像を見ながら壱花は微笑む。
「貴方を拝むことで、みな、心の平安が得られるわけですから」
「……ありがとう、壱花」
と付喪神様は目を閉じた。
「今、初めて此処に存在を許された気がしたぞ。
よし、せめて拝みに来た村人たちの疲れが癒されるよう、背後に立ち、肩でも揉んでやろう」
と笑う。
効果あるのですかね? それ。
霊やあやかしが見える人にとっては、いきなり背後に立たれたら、怖いだけのような気がするんですが……と苦笑いする壱花に付喪神様は言ってきた。
「お礼にお前に良い事を教えてやろう。
お前の探している美園というのは、私の仲間の付喪神だ」
「えっ?」
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