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「ははは。
人間というのは乱暴なものだな。
形式にこだわらないというか。
世のことわりを無視して、あちこち破壊して歩く種族なだけのことはある」
と褒めているのか、けなしているのかわからないことを言ってくる。
「壱花」
と付喪神様が言ってきた。
「これをやろう」
と付喪神様は壱花の手のひらに白いふわふわしたものをのせてくる。
「可愛がってやれ」
うさぎの尻尾のようなそれは、たんぽぽの綿毛のように風に舞い上がり、ふわりと壱花の肩に舞い降りた。
ケセランパサランだ。
「おしろいで飼えるんですよね?」
と壱花は可愛らしいそれを見ながら微笑む。
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