エピローグ

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「おばあちゃーん、美園さん、帰ってきたよー」  壱花は村に戻りながら、庭の水道で大根を洗っていた千代子に手を振る。 「千代子さん、久しぶりー。  いやあ、息子のところの子どもがインフルエンザでねー」 と適当なことを言いながら、美園は千代子と話していた。  千代子は嬉しそうだ。  それを見ながら冨樫が側で言ってきた。 「本当にお前のおばあさんは気づいていないのかな?  彼らがあやかしであることに」 「さあ、わかんないですけど。  楽しそうだから別にいいんじゃないですか?  ……っていうか、あれっ?  社長は?」 と壱花は周りを見回した。  美園と話しながら戻ってきたので、よくわからないが。  七郎さんの家の辺りまではいたはずだが、と思いながら。  
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