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「七郎さんに接着剤借りて、美園さんの本体を引っ付けてきたのに決まってるだろ」
帰りの新幹線で倫太郎が言う。
「千代子さんと話してる途中で、美園さんが突然、パカッと割れたら困るだろうが」
ホラーですよね、それ……。
「ところで、社長。
今日の新幹線とか結構遅い時間なんですけど。
この移動中に、駄菓子屋に飛んだらどうなるんですか?」
壱花と倫太郎は沈黙する。
「……朝、誰もいない新幹線の中に戻ることになるかな」
早く此処から出なければっ、と二人は新幹線の中で急いでも仕方ないのに、鞄を抱き、まだ着かないかと腰を浮かした。
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