エピローグ

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「そういえば、開いてないときの駄菓子屋ってどうなってるんですかね?」  私たちがいないとき、と無事、新幹線を降りたところで、壱花は言ってみた。 「そうだな、ちょっと気になるな」 と倫太郎が言い、三人で駄菓子屋のある場所までタクシーで行ってみた。 「まあ、そもそもたどり着けないかも」 と笑って言っていたのだが、出張で疲れていたのか、岡山あやかし探しの旅で疲れていたのか、あっさり駄菓子屋にたどり着いた。  灯りが灯っている駄菓子屋を不思議な気持ちで見つめる。 「……俺たちが此処にいるのに、誰が駄菓子屋やってんだ?」 「オーナーのおばあさんですかね?」 「がめついから、二十四時間営業してそうだな」 と言いながら、がらりと戸を開けると、店の中は真っ白になっていた。  埃があちこちに降り積もっているように見える。
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