エピローグ

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 高尾が後ろから笑って言ってくる。 「ああそれ、百物語で使った百本目の蝋燭みたい。  一話ずつ火を吹き消しながら語っていくと、百話目で怪異が起こるから、大抵、百話目って、やらないんだよね。  それ、使われなかったことを無念に思う百本目の蝋燭みたいだよ」 「そのとき、仏像の近くに濡れそぼった見知らぬ女が……」 とまだ蝋燭は怪談を語っている。  講談師みたいだ……と思いながら壱花はその怪談の内容に、ついケチをつけてしまう。 「いやそれ、寺に雨宿りに来た女の人なんじゃないんですか?」  倫太郎は、 「どうでもいいだろ、怪談なんて」 と言い、ぴしゃりと押入れの戸を閉める。  だが、やってきた子狸たちが勝手に押入れの戸を開けた。
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