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高尾は最初に焼けた餅を、ずっと焼けるのを待っていた子河童と人間の男の子に化けている小狸たちにやっていた。
「そうだ、壱花」
ふいに思い出したように、倫太郎は言い、こちらを振り向く。
「下っ端のお前は知らないかもしれないが、今度、海外に出張することになった」
いや、社長、一言余計ですよ。
その話に、下っ端、いらなくないですか?
ただ海外に出張することになったと言えばいいだけなのに、本当に一言多……
……って、海外!?
「それ、日帰りでっ?」
と壱花は慌てて訊いた。
「海外だと言っただろう」
腕組みをした倫太郎は渋い顔で言ってくる。
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