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「何故、私だけですかっ」
と壱花は訴えてみたが、
「いや、お前ご指名だし。
お前、化け化けだから大丈夫だろ」
と倫太郎は言う。
「社長なんか何年もあやかし駄菓子屋やってるじゃないですかっ」
と言い返すと、倫太郎は溜息をつき、
「仕方ないな、冨樫は待ってろ。
バチが当たるかもしれんしな」
と言ってきたのだが。
「……いや、待ってください」
と壱花は言う。
「よく考えたら、そのバチ、誰が当てるんですか?」
「……今の話の流れで行くと私だろうかな?」
と神様っぽいものが言う。
「じゃあ、貴方が当てなきゃいいんじゃないですか?」
「いやいや、私を祀っている者共が当てるやもしれん」
「えーと……、なんで人間の行動が止められないんですか。
神様なんじゃないんですか?」
まあ、自分の社の掃除もままならないようだからな。
神様って意外と不便な存在なのだろうか、と壱花は思う。
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