残像

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 僕は時々迷子になる。  たくさんの理由とか、義務とか  そんな枠で(かたど)られた世界の中で  どっちが前で、どっちが後ろで  それは正しいのか、間違っているのか  なんにも分からなくなるくらい、どうしようもなく迷子になる。  そんな時、僕はそっと目を閉じて、瞬きのこちら側を見つめ直す。  足下に散らばる、無造作で  どこまでも長く続く  何千、何万、何億枚を。 【残像】
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