スタート

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 それからも保奈美からの連絡は続いた。主に初登山に向けた道具の相談だった。  メッセージには登山靴を見に行ったが、たくさんあり過ぎてどれを選んでい良いか分からなかったとか、ウェアーはけっこう可愛いのがたくさんあったとか、本当に登山に向けて準備している様子が窺えた。 『迷うようだったら、一緒に行くよ』  そうメッセージを送ると、間髪入れずに 『ぜひ、お願いします!心強いです!』  と返ってきた。  次の休日、2人は時間を合わせて登山ショップに出かけた。  駅前で待ち合わせをして、ビルの7階にあるアウトドアショップに向かう。保奈美と会うのは2週間振りだ。あの時よりもドキドキする。  エスカレーターで見る横顔。…かわいい。こんなどぎまぎする登山用品の買い物は初めてだ。  肩辺りまで伸ばしたセミロングの髪。動きやすいストレッチパンツに長袖のピンクのシャツをだらりと着ている。細身で割と背が高く、服の上から見ても胸がしっかりと膨らんでいる。  引き締まった体つきをしており、おそらく運動部に所属していたのだろう。腕や足は筋肉質だ。シュッとした眉、大きな目、しっかりとした鼻立ちの顔は、合コンの時よりも輝いて見えた。
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