アタック

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アタック

 ショッピングから2週間後、2人は初登山に出掛けた。  聡史は保奈美から指定を受けたアパートの駐車場に待機していた。 「すいません。お待たせしました」  ピンクのウインドブレーカーに薄緑の登山用パンツ、そして淡いピンクのハットに身を包んだ保奈美は、あの時ショップで見た印象とは全く違い、完全な山ガールに変身していた。  その眩い姿にしばし見惚れていたが、すぐに我に返ると、 「いや。今来たところ」  と言って、保奈美からザックを受け取った。そしてドアを開け、後部座席に積み込んだ。登山靴と温泉道具も忘れずに積み込み、保奈美を助手席に誘導した。 「お邪魔します」  保奈美はそういうと、助手席に乗り込んだ。聡史は車のエンジンをかけ、2人は登山口へ向かって出発した。助手席に座っている保奈美を見ると夢うつつになり、一瞬意識が飛びそうになったが、しっかりとハンドルを握りしめ運転に集中した。
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