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20分ほどかけて急登を登りきりると、山の裏側の景色が見えた。
延々と続く山々。そしてその奥には大きな山がいくつも連なっている。
「ここを真っすぐ行くと、次の山につながるんだ。1度行ったことがあるけど、登り下りを繰り返して、往復7時間くらいかかったよ」
聡史は遠くに見える冠山を見ながら言った。
保奈美は呆気に取られていた。
「7時間!…それはもう少し経験を積んでからにしよう」
2人は進路を右に取り、平坦な道を進んだ。5分ほど歩くと、山頂を示す標識が見えた。
「あっ!頂上だ!」
2人は急ぎ足でそこへと向かった。
『麦岳1085m』と書かれた標識にタッチして、保奈美は両手を上げて大きく背伸びをした。
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