スタート

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 その週の金曜日はどんよりとした雲が町全体を覆っていたものの、雨は降らず、近藤と聡史は定刻の15分前に会場に着いた。すでに近藤の大学の友人である2名の男性は席に着いており、女性陣を待っていた。  近藤は聡史を2人に紹介した。  近藤の友人達もそれぞれ自己紹介し、近藤とは大学からの付き合いで、今でも3人でよく飲みに出掛けていることを話した。スーツのジャケットを脱ぎ、白シャツにネクタイを締めた2人は清潔感を漂わせていたが、こういう場に慣れているようで、リラックスして近藤と昔の話をしていた。  きっとたくさんの女性と会を共にして来たのだろう。その喋り方からそんな雰囲気が感じられた。
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