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プロローグ
いつからだろう?
山に登るようになったのは。
小学生の時、鍛錬遠足という名のもとに、無理やり登らされた記憶がある。
正直仕方なく登ったのだが、みんなと登る山は、それはそれで楽しかった。
もともと、自宅の裏が山に面していたので、山は普段から身近にあった。時には近所の友達と数人で裏山の頂上を目指して登ったことがあった。登山道なんか通らず一直線に登ったものだから、かなりの急登だったものの見事に登頂できた。
たかだか500mほどの山だ。特別すごいことはない。
しかし数人の仲間で力を合わせて同じ経験をして頂上に辿りついたとき、少年だった鈴木聡史には、特別な感情が芽生えた。
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