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もうずっと、画面の中で動いている“彼”しか見てない。
会いに行ったら、怒られてしまうかな。
迷惑、かけちゃうかな。
だって、彼は“芸能人”だから。
今思えばあれは。
夢のような一時だったのかもしれない。
『あー!また音楽室にいるー!』
『ね、弾いて?』
『うん!いいよ…ってそうじゃなくて掃除当番でしょ!?』
『弾いてくれたら行く』
『えー、1曲だけね?』
私がピアノを弾くと、彼は歌う。
いつだってそうだ。
彼はいつでも、歌っていた。
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