255人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
そこそこ重い扉…
体重をかけて押し開くと
旋律が聞こえてきた!
この音色…パイプオルガン?
~♪
なんか、教会にいるみたい…
私は部屋の重めの扉を体重かけて閉める。
奥にはこちらに背を向けて
3段鍵盤を順に弾いてる伯爵がいた…
私は彼の少し斜め後ろで
パイプオルガンの旋律を目を閉じながら聴く。
~♪~♪
しばらくそうしてたら、自然と
音色がとまり私はゆっくり目を開く…
伯爵
ヘルツィッヒ・ヴィルヘルム
「ハニー、来てたんだな…
わたしが弾いてるのが
グランドピアノじゃなくてがっかりしてないか?」
私は首を左右にふって、ヘルツィッヒ様に駆け寄る!
私
アーリル・ベネディッタ
「そんなことないですっ
パイプオルガン、私は好きです!」
少しだけ振り向いてたヘルツィッヒ様が
こちらに完全に向き直る。
伯爵
ヘルツィッヒ・ヴィルヘルム
「そうか、きみがそう言ってくれて良かった…
わたしが幼かったとき
母上に連れられた教会できいた
この音色が独特で好きになってしまってな…
母上にオルガンを買ってもらったんだが。
他の貴族達に不気味がられてしまってな
ヴァンパイアだのドラキュラの生まれ変わりだの
陰口を叩かれ、美しくない野蛮だ
などと、ののしられていた時期があったんだ…」
そんなことが…
最初のコメントを投稿しよう!