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 いつもの2時前に咲久良の家に行くと、咲久良はスーツではなくスウェットを着ていた。 「こんばんは。」 「お疲れ様。いらっしゃい」  部屋に入ると、凰花は咲久良に向かって深々と頭を下げた。 「すみませんでした!」 「あ、頭を上げて!」  凰花の行動に驚いた咲久良は焦った。  というのも、あんなことがあったのに翌日に予約したのは咲久良本人で、何故なら彼に何をされてもどうしても嫌いになることはなかったし、期間が空いてしまうと会いづらくなってしまう。  悪いと思っている凰花から誘ってくることはないと考え、自分が動かなければこの関係は終わりを迎えると考えて予約したからである。  決して謝罪が欲しいのではなく、凰花と楽しい時間を過ごしたかったのである。  咲久良は凰花にどうにか頭を上げさせると、ソファへ誘い、自分の思いを恥ずかしながら話すことにした。 「あのね、僕、謝って欲しいわけじゃないんだ。  ただあの時……なんか凰花くんおかしかったからさ……。  予約したのだって、凰花くんが僕に会いづらいって思ったらやだなって思って……。  だから、翌日に予約したんだ。  あ、そういえば風邪!今はもう大丈夫?」  コロコロと話が脱線する咲久良はホストとは思えないほど無邪気で、凰花は見ていて飽きない。  一生懸命話す咲久良の様子を見ていても本音だろう。  自分との関係が途切れないように考えてくれていたのがとても嬉しかった。
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