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「はい、もう全快です。メッセージありがとう。
嬉しかったです。」
「結局何もできてないけど……治ったならよかったよ。
君の家に行こうとしたんだけど、近くってことしか分からないから結局どうしようもなくてさ。
でも、こうしてまた会えたしよかった。」
そう言って優しく微笑む咲久良を押し倒したくなる衝動に駆られるも、ぐっと堪えた。
「……シャワー、借りてもいい?」
「あ、そうだよね。うん、どうぞ」
一度冷静になるため、シャワーを浴びることにした。でなければ商売であることを忘れて際限なく抱いてしまいそうだったからだ。
冷たいシャワーを浴びるとまた風邪をひく可能性があるため、さっと熱々のシャワーを浴びて髪を乾かすとリビングに戻った。
すると、咲久良はベッドの端に座ってかくんかくんと船を漕いでいた。
仕事終わりで疲れているのだろう。静かに隣に座り、そっと手で揺れる頭を寄せた。
そのままさらさらの髪の毛を撫でていると、凰花の気配に気づき勢いよく頭を起こした。
「ご、ごめん!寝ちゃってたっ」
「そんな焦らなくて大丈夫。疲れてる?」
「まあ、今日朝からだったから……」
そういうと、ふう、と咲久良は息をはいた。
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