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 ごくごくと喉を上下に動かしながら水を飲み、本人は満足すると手を下ろそうとする。  それを受け取るとキャップを閉めた。 「どう?大丈夫?」 「うん、大丈夫。ありがとう」  少し眠って水を飲んだことによって酔いは少し冷めたらしい。  このままここに泊まるってなったらどうしようかと内心ドキドキだったため少し安心した反面、準備までした自分がはしたなくて恥じた。 「帰れそう?」 「……なんでそんなに帰したいの」 「か、帰したいとかじゃないよ。  自分の家で休んだ方が休まるかなって思ったから……」 「……」  咲久良の苦し紛れの言い訳に、凰花は黙ってしまう。  咲久良は凰花を帰したいわけではなかった。でも、ここに凰花がいると緊張して自分が休まらないのだ。恋人でもなく、いつもこの家で自分を抱いてくれるイケメンがいたら、ドキドキするのも無理はないだろう。  本音が言えるはずもなく、2人の間に沈黙が流れる。  そして長かった沈黙の後、凰花が立ち上がった。 「……シャワー借りていい?」 「そ、そりゃいいけど……どうして?」 「待ってて」  理由も告げられないまま、咲久良は素直に指示に従い凰花が戻ってくるのを待った。
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