白い雪

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「しらゆき、何を?」 「わたし、こっちの短大を受けたの」 「……短大?」 「毅お兄ちゃんの傍にいたかったから」 3年の間に少女から大人になったしらゆきが恥ずかしそうに俯いた。 このあたりの短大と言ったら簡単には入れない。 よほど頑張ったんだろう。 少しでも傍にいたくて。 「しらゆき、」 見つめあうふたりの距離が3年の月日を埋めていく。 あれほど泣きじゃくり別れた少女が毅に会いたいがために難関の短大を目指した。 すこしでも毅の傍にいて、毅の顔を見るために。 ふたりの距離は、あのなごり雪の日から徐々に近づいていたんだと、今ならわかる。 「毅、屋敷に案内してやれ」 「若」 「このままここにいたら風邪をひくだろ?3年ぶりに会ったのに、まさか、このまま追い返すつもりなのか」 毅がグッと息を飲み込んだ。
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