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「毅、車に乗せてやれ」
毅としらゆきを乗せると車を発進させた。
屋敷に着くと、りおとひかるが連れ帰ってきたしらゆきを見て顔を見合わせて、すぐに破顔した。
「奏さんからきいてたの、しらゆきさんが毅さんを訪ねてくるかもって。想いが変わらないなら来るって。きっと来てくれるだろうって」
いたずらっぽく笑うりおに都合が悪くなる。
毅はりおの言葉に驚いて俺を見た。
「若?」
「毅、おまえに三日間だけ休みをやる。三年会ってなかったんだろう?そのぐらいは傍にいてやれ」
「……ありがとうございます」
ひかるの案内でしらゆきを連れて部屋へ行く毅は気づいてないんだろう。
俺にはわかる。
後ろ姿をりおと眺めながら見送った。
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