もわ大明神観察記

その日奴は落ちてきた

　仕事を首になり、恋人にも浮気された私はもう人生に絶望した。

　心残りはない、早く飛び降りよう。そう思ったらやつが落ちてきた。

ぼふっ

　なんだこいつは。

もわ(=゜□゜)

　ふくろうのような、いや、ふくろうはここまでマヌケな顔はしていない。てか翼ねぇしこいつ。

もわもわ(=゜□゜)

　足下をうろうろされて正直困り果てた私はこのずんぐりむっくりしたもわもわと鳴く(？)生き物を捕獲しようとしてみた、が！

ぺしっ(=゜□゜)つ

　手を叩かれた。そして汚い手で触るなと言ってる気がした。

もぐもぐ(=゜〜゜)

　なんか食ってるし。こいつに構ってるうちに私の中から自殺願望は消え去り、仕方なくアパートに帰ることにしたのだが……やつはついてきていた。