SCP-37★-JPについて

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 ……そのような会話を続けていくと、彼女は読書好きである事が判明しました。 ──どんな作家さんが好きですか? 「うーん……特に好きな作家さんは~……」  SCP-37★-JPが答えに詰まってしまったのは意外でした。大抵、同世代の子供ならば好みがはっきりしてきて、読書好きと言うなら好みの作家さんの名前が幾つか上がるからです。 ──具体的に一人に絞れないのですか? 「そうです。たくさんいますので、誰が、と具体的に言うのは私の口からは憚られます」 ──憚られる? それは何故ですか? 「ほら、作品は芸術作品等でもそうですが、作家さんの魂が封入されているではないですか……私などと言う一人の名も無き読者が好き、とか、嫌い、とか言ってしまっては作家さん達が苦しみ、もがいて書き上げた作品に対して失礼だと思いませんか?」  私も少なからず読書するのでSCP-37★-JPの気持ちが分からないでも無かった。本や作品に対するこだわりは無いようだが、作家さんや作品に対して敬意を示している事が散見出来ました。
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