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 国枝に睨まれた長戸は、臆することなく、国枝の目をじっと見つめた。 「疑ってはおりません。  ただ、所長は何かご存知かと思いまして、相談した次第です」  長戸は冷静に答えた。  2人の睨み合いが続いた。  双方とも言葉を発することなく、沈黙の時間が流れた。 「所長…」  長戸は国枝のデスクに近づいた。 「12年前のことが…やはり関係しているのですか?」  その言葉に、国枝の表情が一変した。  国枝は目を限界にまで見開き、長戸の顔を凝視していた。
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