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「人を救うために創り出したウイルスだったが、誰にも疑われることなく、人を死に追いやるウイルスもできるのでは…
そんな考えが頭に浮かんだ。
俺にできるのは、それしかないと思った。
その日から、俺は研究に取り組んだ。
そしてやっと完成したんだ。
あの『モンスターキラー』が」
国枝の目は血走っていた。
それはもう人の目ではなかった。
言うなれば…バケモノの目をしていた。
「『モンスターキラー』は皮膚から感染する。
つまり、感染者をヤツに接触させる必要があった。
俺は手袋にウイルスを十分に付着させ、刑務所のドアノブや自販機…人が触れそうなあらゆる所に付着させた。
そうすれば、看守を通じてヤツに感染させられる」
その計画はどうやら成功したようだった。
リストの652番目。
そこには犯人の名前が間違いなく記載されていた。
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