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「つまり…」
長戸はまさかと思いながら、話した。
「ウイルス自体が感染者を選別している…ということですか?」
国枝は首を縦にも横にも動かさず、目をつぶったまま言った。
「犯罪者…もしくは欲望のために人を傷つけた者が有する特有のホルモン…体内物質を察知し、それに反応して感染する…
つまり、人類にとって邪悪な存在を抹消するために進化したウイルス…
そんなことがあるかは分からないが、今現実にそれが起こっている。
それが『モンスターキラー』…そう言えるかもしれない」
長戸は信じがたい言葉を耳にし、少しよろめいた。
そんなことが…しかしウイルスの進化はとてつもなく早い。
こちらの研究が追い付かないスピードで進化を続けるのがウイルスだ。
我々の想像を絶する進化をするのも…認めたくはないが、認めざるを得ない現実なのかもしれない。
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