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 長戸が見た新聞記事、それは過去の犯罪記事だった。  殺人、虐待、横領、詐欺、汚職…  それらに関わった者の多くが、モンスターキラーに感染していた。  過去数年分の資料としか照合はしていないが、それらの資料ですら、半数もの感染者の背後にあるものが適合した。  これは単なる偶然とは思えなかった。  他の感染者も、きっと何かしらの犯罪履歴があるはず。  しかし、犯罪歴のある人物だけを特定して感染するウイルスなどあるのだろうか?  身体の免疫力には個人差があり、それにより感染する者、免れる者に分けられるのは理解できる。  今回は、それが犯罪歴なのか?  ウイルス自体がそれを識別して、感染するか否かを判断している?  そんなバカな!  長戸は考えれば考えるほど、非現実的なこの仮説に自信が持てなくなっていた。  ただ、1つだけ、間違いなく確信に満ちたものがあった。  これは、人工的に作られたウイルスであるということ。  そして、それを創りだせる人物は1人を除いていないということだった。
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