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墓前で
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川端は白川の墓前で手を合わせていた。
あの数日後、竹田じいちゃんの後を追うようにして白川も逝った。
(冷たいギフト。俺は信じてはいない)
白川の母親に託すのも気が引けたのでギフトは川端が預かった。
「川端さん、お昼にしましょう」
白川の母親の呼ぶ声がする。
近くに親戚がいないとのことで川端が献身的に白川の母親の手伝いを行ってきた。
部屋の荷物の片付けや葬儀場での手伝いなど男手は重宝された。
川端としても盟友との別れに少しずつ整理を付けられたように思えた。
友人の突然の死は簡単に受け入れられるものではなかったのである。
ここ数日、白川が自分を呼ぶ声で目覚めた。
目覚める度に友人の死を確認させられているようで、胸が締め付けられた。
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