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ギフト
マスターは話を聞いているのかそうではないのか半ば目を閉じて洗いたてのグラスを拭いている。背は低いがロマンスグレーの髪に几帳面に整えられた口髭が威厳と寛容さを滲み出している。
「何が送られてくるんだ?」
「何がってそれは・・・。」
白川は暫く考えた。
「便利なものだよ」
川端は吹き出した。
緊張が解けてネクタイを緩めた。
「なんだそれ。困ってるフリしやがって、コノヤロウ!
真面目に聞いて損したよ」
「困ってるんだよぉ。お前は便利なもんを送り続けられる気持ちがわからないんだぁ」
眉を寄せてすっかりうなだれている様子から困っていることに偽りはなさそうだ。
「あ、そうだ。この二週間で送られたものをここにメモしてある」
白川は鞄から手帳を取り出した。
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