ギフトと連想と記憶

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ギフトと連想と記憶

ー ー 二月十八日。ホワイトボード。 不明。 二月十九日。エレキギター。 TVでエレキギターを弾いている人をみた。 白川は高校生の頃にバンドを組んでいた事を思い出した。毎日学校から帰ると夜の10時までエレキギターを弾いていた。 文化祭にも何度か出たし、友達を集めて対バンしたりもした。 そう言えばこんなギターが欲しかった。 真島昌利やアベフトシが使っていた角が丸い黄色いレスポール。 二月二十二日。サッカーの観戦チケット。 好きなサッカーチームのチケット4人分。昔からの同級生の川端と、白川の大学の友達三人とよく観戦に行った。 みんなこのチームが好きで、年に一回は集まって試合を見に行くようにしている。 就職してから15年が経過したというのに試合観戦を口実に同窓会も兼ねて繋がっているのは奇跡的だ。 今回は一枚チケットが足らないようだ。試合は今年の四月の分である。 二月二十八日。最中(もなか)。 老舗の最中で毎日店の前に長蛇の列を作っている。 ここの最中は白川の母親の大好物である。 小さい頃母親が宝塚を観に行った帰りにここの最中を買ってご機嫌で帰ってきた記憶がある。 母親は、今は宝塚を観に行くことは無くなったようだ。当時の男役の役者の追っかけをやることの夢中で、今の宝塚には興味がないのかも知れない。
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