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あたしは遼の目を見て言う。
「敵だらけじゃないと思うよ。
あたしこの数日、お見舞いに来てくれた遼の友達に何人も会ったけど、皆本当に良い人ばかりだった」
「遼のこと、全然特別な目では見てないし学生時代のヤンチャな話とかたくさんしてくれて、皆、遼を可愛い弟みたいに思ってるのが判ったし」
「えっ!あいつら早葵に何話したんだ?」
遼は目を剝いて言う。
「まあいろいろ」
とあたしは笑った。
「他にもドクターとか、見城の伯父様とか雷波さんとかも絶対遼の味方だし、ショウさんだって、こんなことがなければきっとずっと良いお友達だったと思う」
遼はあたしの肩を抱いて「そうだよな。訪ねてきてくれて本当に嬉しかったんだけどな」と寂しそうに言った。
「ところでさ。
早葵に聞きたいことがあるんだけど」
遼は口調をがらっと変えた。
「え?何?」
「誰かに口説かれたりしなかった?大丈夫だった?」
「は?」
「なんか、ここに来て早葵に会った奴ら皆『すっごく可愛い婚約者だった』とかあちこちで触れ回っててさぁ。
それは俺としては嬉しいというか、そうだろう?可愛い娘だろう?俺の自慢の彼女だぞおって感じなんだけど」
イヤそれは…年齢が幼いからっていう意味じゃないのかな。
子どもを見れば可愛いと感じる的な?
ぜんっぜん女性として見られてる感じはなかったよ?
皆さん紳士な大人の男の人だった。
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