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妹は世界一
私の名前はヒナ。25歳。私には10離れた妹がいる。最近の悩みは妹がかわいすぎること控えめに言って世界一可愛いと思う。私の住むタンジー王国では15歳で洗礼式を受けて何かしらの能力を得る。大抵の人は自分の能力をうまく使いこなせない。ちなみに私の能力は言葉に魂を持たせる言霊という能力らしい。正直狩りと賊を追い払うことにしか使っていない。狩人の父の影響で獲物が狩りやすい街の外れに暮らしている。だから獣も出れば山賊も出る。5年前までは父と共に狩りに行ったり山賊を追い払ったりして、狩った獲物は母が料理をしてくれたが流行り病で両親を亡くした。だから今は妹と二人暮らし。最近は料理も私より上手になって可愛くて料理もできてどこに嫁に出しても問題無いぐらいいい子に育ったと思う。まぁそう簡単には嫁に出さないけど。そんな世界一可愛い妹ももう15歳。そろそろ洗礼式だ。
「モネ~準備できた?」
「はい!今行きます!」
出てきた妹はまるで天女のようだった。
薄紫の花柄のミニドレスに桃色のリボンをしていた。
「どうですか?」
「可愛い可愛い可愛い可愛い」
「もう、お姉ちゃんたらそればっかりなんだから」
「すごくいい!きっと良い力を授けられるよ。それじゃ行こうか」
洗礼式を受けるには城のある中心都市に行かないといけない。
中心都市にある教会で力を授けられる。
「どんな力だろうねえ。私みたいに変な力じゃなきゃいいけど···」
「お姉ちゃんの力は変じゃないよ。私は好きです。お姉ちゃんの言葉は勇気を与えるんです」
「ふふっ、そうだといいなぁ」
町外れに住む姉妹は期待を胸に洗礼式に向かった。
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