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妹の能力
「ここが中心都市···」
そういった妹のモネは口をポカーンと開けてアホみたいな顔をしている。そんな顔も可愛い
「ここが教会だ。私はここで待ってるから行っておいで」
「はい!行ってきます」
-30分後-
「どう···」
妹に結果を聞こうとした私は妹の周りにいる人たちに驚きを隠せなかった。
「どうして、王国兵士団が···」
国の安全を守り、領土拡大のために他国との戦争も行う兵士団が妹を囲むように立っていた。
「あなたがヒナさんだな」
「はい···そうですけど」
「あなたの妹モネさんは特別な力をお持ちだった。どんな傷も病気も治せる力「天使の微笑み」だ。モネさんの身の安全を考慮して王宮で保護したいのだがご了承願えるか」
「確かに王宮なら安全だと思いますが···いきなり言われてもまだ妹は15歳になったばかりですよ」
「お姉ちゃん、私なら心配いらないよ。どんな傷や病気も治せるなら王宮にいたほうがみんなの役に立つと思うの。だから私王宮に行きます」
「モネ···分かりました。モネをお願いします」
「それでは、お城へ向かいましょう。モネ様」
「は···はい」
こうしてモネは王国兵士団に連れていかれた
妹が王宮に行って一週間。こんなに離れたことは今までなく、現在絶賛妹ロスです。
「モネ~会いたいよー」
そんな声も虚しく響く。
「よし!会いに行こう!」
一週間ぶりに王宮のある中心都市にやって来た。しかしここで問題発生
「許可証はお持ちですか?」
「許可証?そんなものがいるんですか?でも妹がここにいるんです!一目だけでも!」
「許可証がない方はお通しできません」
「どうしたら許可証はもらえますか?」
「貴族の方のお墨付きがないとなかなか許可証は難しいかと」
貴族の知り合いなんていない。これから一生妹に会えない!?それは困る。どうしようか
その時、一人の兵士が来て何かパスポートのようなものを門番に見せた
「お疲れ様です」
「はい、お疲れ見張り頼むな」
そしてそのままあっさり門を通り城の中へ
「ねぇさっきの男はどうして入れて私は無理なんだ?」
「あちらの方は王国兵士だからですよ。あなたは許可証がないのでここを通す訳にはいきません。分かったならさっさと帰ってください」
「しょうがない···許可証がないからな。許可証があれば通してもらえるんだな?」
「もちろんです」
「わかった。手間をかけました。失礼します」
「へ?は、はい」
戸惑う門番をよそにヒナは考え事をしていた
もしかして、王国兵士団に入ればモネに会えるかも?
「でも、王国兵士団ってどうやったら入れるのか?まっいっか、明日さっきの門番に聞いてみよう」
そんな楽観的な気持ちでその日は中心都市の宿に泊まった。
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